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ハルキストの原点 『風の歌を聴け』 村上春樹





村上春樹デビュー作品。芥川賞候補作


ページ数の少ない本なので何度も後戻りしながら一晩かけてじっくり読んで見た。
その後に映画も見てみた。本の中で僕が描いたものと映画とはずいぶんかけ離れた
ものでしかなかった。

村上春樹が過ごした西宮の夙川、同じ町で彼の10年後に僕もそこで暮らしていた。
1970年の神戸を舞台にしているが、別に神戸を感じろなんて本ではなく、取り立てる程のストーリーもない。

そこにあったのは、20歳の頃の、そう学生時代自分も良く遭遇したあの感覚だった。
“沈黙に潜む会話”とでも言うか、当時の学生は男同士でも男女でも今のように
春のひばりのごとくぴーちくぱーちくした会話をしなかった。

ボソッと意味ありげな一言、やたらと長い時間の沈黙。その後に発する意味不明な
一言。色んなことを抱えて尚且つ多くを語らず見たいな時期。

お互いを知りすぎない、それがカッコいいとか思ってたのかもれない。
とても懐かしい気分に浸れた一冊。そこにはいつも音楽があったのも確かです。

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