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『怒りの葡萄』(1940) -84








    制作:ダリル・F・ザナック


ジェーン・ダーウェル(トムの母)








叔父の家で家族と再会した彼は、みなで遥かカリフォルニアに行き、職を求める。そして、桃もぎで雇われた農場で賃金カットに反対したストが起き、首謀者ケイシーを殺した男をトムは殴り殺してしまう。一家で国営キャンプに潜んだが、彼を追う保安官が姿を現わし、トムはまた一人逃亡の旅に出る……。再会を信じ、彼を送り出す母の逞しい言葉で映画は締めくくられ、やるせない余韻を残す


キネマ旬報
/名作100本見たのか俺?57作品目


『エデンの東』でも深いもの見せてくれました

収穫された葡萄は大きな樽に入れられ大人たちの足で踏まれ真っ赤な血をタラタラ流す
痛い!痛いよ~~~~ そして大人たちは酔う為に出来た葡萄酒を飲む。

葡萄にしてみれば俺達の血をのみやがって!と『怒りの葡萄』と化すのである


タイトルそして内容にも多分に聖書の内容が暗にからんできます
オクラホマからカリフォルニアへとルート66を走る家族12人はキリストの12使徒であり
説教師ケイシーがイエス 約束の地へといざない途中で死ぬ父親はモーゼを暗示する
そして身重の嫁をほって逃げて行った夫がユダってわけです


本来農場には不向きなオクラホマの土地を長年にわたり開墾してきた小作農だったが
やがて大型機械による大農場政策により土地を奪われ家も壊されます。長年住んだ家屋を
業者のブルドーザーが破壊して母親が思いでのイヤリングを鏡の前でつけるしぐさは悲しい


一家は仕事を求めて新天地 果実実る夢のカリフォルニアへひたすらルート66へ向かう
この66は今では全線高速になり当時のおもかげはないので70年前のこの映画は貴重であります

ようやく到着したカリファルニアでガソリンスタンドの従業員が言う

「人間じゃない。人間があそこまで惨めになれるわけがない」

果たして約束の地は人間以下の扱いを受ける場所でしかなかった超低賃金でブタ小屋以下の
住まい こんなアメリカを見たとはない 悲惨その言葉がぴったりだ

一家はそこを出て国営のキャンプ場に行きます。ピカピカの洗面、シャワー
土曜の夜にはダンス大会もある まるで夢のようです。いったいこの国はどうなってるんだ

ヘンリー・フォンダが母親の元を去る場面 そして母親がまっすぐ前を向き一家を支えて
次なる新天地をめざすところで映画は終わる。

資本主義の歪みの中にあってもたくましく生きる庶民を描いた名作

中でも母親役(ジェーン・ダーウェル)はこの映画の核となる名演技でみごと助演女優賞を受賞しています。

う~ん素晴らしこの映画

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