ナチによるユダヤ虐殺をまのあたりにしたドイツ人実業家オスカー・シンドラーは、秘かにユダヤ人の救済を決心する。彼は労働力の確保という名目で、多くのユダヤ人を安全な収容所に移動させていくのだが……。スピルバーグが長年あたためていたT・キニーリーの原作を遂に映画化。念願のアカデミー賞(作品・監督・脚色・撮影・編集・美術・作曲)に輝いた作品で、その圧倒的なドラマには胸震わさずにはいられまい。ただ、これが実話である事、人間の尊厳に関わるものである事を考えた時、有無を言わせぬ強制力が働いているのも事実。だがそれよりも、3時間を超す長尺をまったく飽きさせないスピルバーグの構成力・演出力は認めてやまないところだ。本作と正反対の位置にある「ジュラシック・パーク」を同時期に作っていた男、それがスピルバーグ。これは皮肉ではなく、いかにこの人物が“芸術”と“娯楽”の間でさすらう<映画>を知り尽くしているかという事なのだ。この絶妙なバランス感覚を持つ同時代の映画作家は、いない。
❤本編195分に及ぶナチスの反ユダヤ主義を第二次大戦終了まで追う
【キャスト】
オスカー・シンドラー: リーアム・ニーソン
イツァーク・シュテルン: ベン・キングズレー
ベン・キングズレーはユダヤ人会計士丸いメガネは登場した瞬間に
あ!ガンジーやんとなる てかメガネがガンジーとそっくりです
さて当然ながら事実をベースにしているので「ユダヤのこと」「ナチスのこと」をある程度は
歴史を知っておく必要があるでしょう。
とかくナチスと言うとユダヤ人大量虐殺ばかりがクローズUPされますが
この映画ではそうした事実をドキュメンタリーではなく構成された物語として映画として
完成させています。
1100人のユダヤ人を救ったオスカー・シンドラーの物語
ナチ党員である実業家シンドラーとユダヤ人会計士シュテルンがメインですが
それに留まらず広くナチズムと言うのものがユダヤ人に取った行動も克明に見せます
あえて全編モノクロの中でひとりのユダヤ人少女だけがカラーになり
しばらくした1シーンでモノクロの死体の山に埋もれたカラーの遺体がいっそう残酷です。
この映画から得るものは事実であることと
またこの様な狂気の沙汰の根底にあるユダヤ人迫害とは
自分は破壊されたユダヤ人の家や商店の窓ガラスが粉々に飛び散り
あたかもそのキラメキが水晶のようだと名付けた『水晶の夜事件』そのネーミングからもう
ナチスの狂気は人間でなくなっていたのではないか・・
今なおイスラエルで揺れるユダヤ・・
必見のアカデミー作品です。
評価:10