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『冷血』(1967) -918








原作: トルーマン・カポーティ /音楽: クインシー・ジョーンズ    


スコット・ウィルソン(ディック・ヒコック)











冷静だが冷たいヤツと言う印象がする。

タイプの違う二人の若者がいる。ひとりは軽いノリで頭の中も軽そうな男、もう一人は
施設や長いムショ暮らしでようやく仮出所し少しは分別ある男だ

二人は共謀し600キロも離れた全く知らない家の金庫に1万ドルがあると信じて強盗に入る
だが、いざ家に入ってみますと現金はたった43ドルしかなかった。そして一家4人を殺害し
やがて捕まり絞首刑されるまでを見せる。

犯人たちの親や生い立ちは出て来ますが、犯人たちが4人殺害を悔いる様子はない
そもそも1万ドルの話もムショで聞いたガセ話にすぎず単純に信じて行動に出る
一家殺害の動機もペリーの父親の妄想からとっさに主の首を切ったことで連鎖的に全員殺しただけだった。証人封じと言う冷静な判断ではなかったろう

これは1959年実際の事件です。今の日本でも、こうした動機のほとんどない殺人事件が多発する
絞首刑になる犯人になんら同情の余地はありませんが、刑場にいた男はこう言う
「これが何になるんだ」と・・ふと昨日公開された日本の処刑場部屋の写真が横切る。


犯人に密着取材しこれを書きあげた作者トルーマン・カポーティもまた冷血人間だと
映画『カポーティ』を見ると思えます。


犯行前ー犯行ー逃亡ー逮捕ー処刑までを克明に描いたものとしては
映画としても十分入り込める内容となっています

ウッドベース中心の音楽が60年代後半らしい響きで序盤からおっ!これはいいぞと
思わせる


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