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『介護士K』の場合 久坂部 羊

老人ホーム4階のベランダから、次々と入居者が、転落死した事件、を覚えていますか?


読み終わった瞬間から、すぐにでも介護の仕事を辞めたくなった。
それほど介護の実態を赤裸々に書いてある。

看護婦は、白衣の天使♪ んなわけね~だろ。
ましてや介護士は、神でもキリストでもない!!
可愛いおばあちゃんや、おじいさんばかりではない。いきなり殴りかかる人、
便いじりが好きでシーツ、包布、壁一面にそれをなすりつける人、5分置きに
コールを鳴らす24時間。本当に介護現場をわかっているのは現場で働く人間だけ

世間は、わかった顔して何もわかってはいない。
冷静に考えればそこはとんでもない世界であることは間違いない。
殴られひっかかれ腕が血だらけになり、眼鏡を飛ばされレンズが割れたことも
ある。上に相談した答えは、「あ~PONYさん、そういうときは、うまくよけてね♪」な世界である。

この本に出て来る事例は、どこの施設でもあることだ。
しかしな~だからといって4階のベランダから投げてはいけない。
彼は、結局死刑判決を受けた。

介護士による虐待事件は、あとを絶たない。自制心と精神力が強靭でなければ
どこかでまた必ずメディアに出ない事件は起こる。

カスハラなんて言葉が出てきたが、この世界はそんな巣窟でもある。
何事も起こさず無事に終わることを誓った一冊であった。

隠棲まであと550日。

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