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『間諜X27』(1931)-173









ヴィクター・マクラグレン(ロシアスパイH14)




オーストリア帝国末期。夫に先立たれ、娼婦に身を落とした女性が情報部の誘いを受け、スパイとして活躍する。冷徹な心で任務に当たる彼女は卒無く仕事をこなしていくが、ロシアの腕利きスパイに正体がばれてしまい、失敗をしてしまう。



のめり込みます。ヤニングスやクーパーによって輝くディートリッヒじゃ満足できず

今回は完全にディートリッヒの『間諜X27』を作ります。

間諜とはスパイのことでX27はコード番号。トタン屋根を叩く雨音から映画がはじまる
あるきっかけで女スパイX27になったディートリッヒとロシアのスパイH14との悲恋もの

しかしここでも男に媚びない女ディートリッヒ、細いまゆがいっそう既存のアメリカ女優とは
一線を画す

お気にりの場面は、カジノでルーレットをする男に「27に賭けなさい」と自分が国のために
X27になったことをほろり表に出すところ

若い兵士、はじめ諜報員幹部の部屋に案内するのですが、ラスト処刑の場面で鏡の変わりに
サーベルをディートリッヒに渡すんですね~思わず泣く兵士の涙を拭いてやる

「こんなことが国の為か、これは単なる殺人だ!」泣きじゃくる兵士


壁を背に口紅を塗りうっすらと微笑むディートリッヒ・・・


あまりに彼女の魅力を前面に出そうとするあまり ストーリーがややわかりずらい
スタンバーグ&ディートリッヒ代表3作の中では『モロッコ』やっぱこれだね♪

ディートリッヒが何故伝説の大女優と呼ばれるのか? 淑女でもない、エロスが売りでもない
男装しタバコをふかす それでいて下品さのかけらもなく気品漂う。女優と言うよりも‘1個人の女性’として輝いているからですね~ この映画から30年近く後のビリー・ワイルダ『情婦』にあっても
彼女の魅力はそのままでした。


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