もう一つの顔、宮古島
旅行者にとっての宮古島は、ひたすら青い海と青い空の楽園。
自分もただの観光客に過ぎない。だけど出来るだけ観光ルートではない
場所にも積極的に足を踏み入れて見ることでもうひとつの宮古島を知ることが出来る。
ぱっと見、海辺に建つホテルのようにも見えるこの場所ですが、そうではありません。
らい病って言っていた感染病がある。今はその名前はハンセン病と呼んでいます。
映画「砂の器」を思い浮かべる人も多いでしょう。でもその歴史や実態はあまり知られていません。せいぜい顔が崩れて変形していく・・・そんなイメージしかないのが普通でしょう。
じ
この場所は、道案内標識はもちろん、ガイドブックにも載ってはいません。
偶然に宮古島中の道路をクルマで探索していて見つけたのです。少しためらったけど
中に入ってみます。
資料館があったので入ってみた。受付で「福祉関係の方ですか?」と聞かれた
偶然ですがそうなので「はい」と答えると納得した様子。
それだけ普段ここに来る普通の観光客は存在しないと言うことだろうか
丁寧なガイドさんが案内してくれた。50分ほどかかると言うので手短に30分でと
お願いしたが、あまりの衝撃的歴史に結局1時間以上いました。
そもそもハンセン病とは?何で、どこから来たのかを知り
え?監禁室?ここは療養所じゃないのか・・・?
職員に逆らっただけで監禁される。恐怖と怨嗟の施設であったようすがガイドさんに
より語られる。これが国策で実施されていた。アウシュビッツが積極的粛清なら
ここには消極的粛清があったのですね・・
国立療養所の中に独房・・・・独房・・・療養・・・
遠い過去にあった歴史じゃないんです。ほんの少し前まで、いえ今なおここには
入所者がいます。
強制隔離政策、ハンセン病患者は有無を言わせずここに集められた。
実名も捨てられ、ここでしか通用しない通貨にお金を換金される。つまり一生ここでしか物を買ったりできなくする。職員棟と患者棟を隔てる門や張りめぐらされた有刺鉄線
・・・早く勝手に死んでくれといわんばかりだ。
ハンセン病の向こう側の一端を知る俺たちだった。