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『アラビアのロレンス』(1962)第35回アカデミー作品賞 -53





出演: ピーター・オトゥール(ロレンス) : アレック・ギネス (ファイサル王子) :オマー・シャリフ (アリ酋長) :アンソニー・クイン (アウダ・アブ・タイ)


トーマス・エドワード・ロレンス/1888年8月16日 -1935年5月19日(満46歳没)

アラブ反乱旗が翻るヨルダンのアカバ


映画の舞台となった場所/左がスエズ海で右がアカバ海


 1916年、カイロに赴いている英国陸軍のロレンス少尉は、トルコへの反乱に意気込むアラブ民族の現状を確かめに向かった。そこで彼は反乱軍の非力を痛感し、アラブ種族をまとめ上げてゲリラ戦へ打って出ることに。やがて、トルコの一大拠点を巡って激闘を展開し、勝利する。そして、再びゲリラ戦の指揮官として新しい任務を与えられ、トルコ軍を打倒するロレンス。だが、一方でアラブ同士の争いが起こり、彼も尽力むなしく徐々に孤立していく…。
 D・リーンの数ある名作の中でも紛れもない最高傑作で、アカデミー賞7部門を受賞。1914年、第一次大戦中のアラブ。砂漠の利権を狙い侵攻するトルコ軍とアラブ人たちとの激突、大英帝国の介入と、激動するアラブ社会に突如現れた英国人T・E・ロレンス。ドラマは、砂漠とその民を深く愛し、しかし英国人であるがために深い挫折に追い込まれていく青年リーダー、ロレンスの苦悩を中心に、砂漠の一大戦争スペクタクルを展開していく。ベドウィン族の戦闘部隊が一瞬の内に一村を壊滅させるシーン、疾走する列車を爆破するシーン他、その迫力は今なお圧倒的で、今日では絶対撮影不可能とまで言われている。D・リーンが長年こだわり続けている“人間と自然”“西欧文明と異文化の相克”のテーマがここでも徹底して描かれ、深い感動を呼ぶ。




ラクダ大好き

見せます!227分ひたすら砂漠砂漠砂漠!!日陰でも50度という灼熱地獄に登場する役者は
ロレンスにピーター・オトゥール。「戦場にかける橋」のアレック・ギネス、「ベン・ハー」のジャック・ホーキンス、「道」のアンソニー・クィン、「カサブランカ」のクロード・レインズ、「赤い風車」のホセ・ファーラー、「ナバロンの要塞」のアンソニー・クェイルと主役級の顔ぶれです。

農道をバイクで飛ばすロレンス(このバイクは伝説の高級車です)コーナーを抜けると
農婦が歩く避けるが転倒ししてロレンスは死亡する・・

遥かなる物語の幕開けはラストシーンで帰還するロレンスの乗った車を追い越して行くバイクに
繋がっていくのです。


広大なロケの大作は数あれどこの映画はそれらを超越しています。砂漠の中での名ショットの数々は
とても文字では書けません。圧巻としか・・

オスマントルコ帝国の侵略に対してアラブに加担し支持するイギリス軍の一人がロレンス
と言ってもイギリスにしてみればトルコにスエズを取られることは自国のアラブの生命線を
明け渡すことであり政治的視野あってのことなのは言うまでもない。


だが、ロレンスと言うのは変わり者でして一見オカマか?こいつってくらい
ナヨナヨした人物でとても『アラビアのロレンス』はこれ?と思います

でもこのタイトルがやがてなるほどと思えてくる。果てしない砂漠を共にアラブ人たちと
ゆくうちにいつしか彼は自身でも『アラビアのロレンス』になる。


アカバ攻略までの道程は彼をアラブ人に変えて行ったが

イギリスの思惑とアラブの思惑はやがて彼を無用の存在と位置付ける
3枚舌外交で自国を有利に進めようとするイギリスの姿勢はのちにこの地域に
悲劇を生むパレスチナ問題へと発展していきます。


「砂漠はどんな血でもすぐに乾かしてまう」

「我が友ロレンス。戦士の仕事はもうなくなった。取り引きは老人の仕事だ」


やや複雑なメッセージが盛り込まれ難解な中東情勢ですが
見る価値十分な砂漠に上る太陽 超大作でした

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